
引っ越しは、新たな生活をスタートさせるための大切なイベントですが、それに伴う費用も決して少なくありません。物件の契約費用、引っ越し業者の作業費、家具・家電の購入費など、さまざまな出費が発生します。
特に、予算をしっかり立てていないと、思っていた以上に費用がかかり、引っ越し後の生活に負担がかかることも。引っ越しの総額を事前に把握し、必要な出費を計画的に管理することが大切です。
この記事では、一人暮らしからファミリーまでの引っ越し費用の総額目安と、その内訳を詳しく解説します。また、引っ越し費用を抑えるためのコツについても紹介するので、引っ越しを検討している方はぜひ参考にしてください。
引っ越しにかかる費用の総額と内訳
引っ越し費用の総額の目安
引っ越し費用の総額は、家族構成や移動距離、物件の条件などによって大きく異なります。一般的な目安は以下の通りです。
- 一人暮らし:30万円〜50万円
- 二人暮らし:50万円〜80万円
- 三人家族:60万円〜100万円
- 四人家族以上:70万円〜120万円
これらの金額は、物件の契約費用や引っ越し業者の料金、家具・家電の購入費などを合算したものです。引っ越しの際は、どの費用がどれくらいかかるのかを事前に理解し、適切な予算を組むことが重要です。
引っ越し費用の内訳
引っ越しにかかる費用は、大きく分けると以下の5つの項目に分類できます。
① 物件契約費(敷金・礼金・仲介手数料など)
引っ越し費用の中で最も大きな割合を占めるのが、物件を契約する際に必要な初期費用です。一般的には、家賃の4〜6ヶ月分がかかるとされています。
- 敷金(家賃1〜2ヶ月分):退去時の修繕費用として預けるお金。原則として、未使用分は返還される。
- 礼金(家賃0〜2ヶ月分):大家さんに支払う謝礼金。地域によっては不要な場合もある。
- 仲介手数料(家賃1ヶ月分):不動産会社への報酬。割引や交渉の余地がある。
- 前家賃(家賃1ヶ月分):契約時に、入居月の家賃を前払いする場合が多い。
- 火災保険料(1〜2万円):契約時に加入が義務付けられていることが多い。
- 鍵交換費用(1〜2万円):防犯のため、新しい鍵に交換する費用。
これらの費用を抑えるためには、「敷金・礼金なし」の物件を探したり、仲介手数料を交渉したりすることがポイントです。
② 引っ越し業者の作業費(距離や荷物量によって変動)
引っ越し業者を利用する場合、以下の要素によって料金が変動します。
- 移動距離:市内での引っ越しは安いが、遠距離になると費用が高くなる。
- 荷物の量:大型家具や家電が多いほど料金が上がる。
- 作業オプション:エアコンの取り外し・設置、不用品処分などを依頼すると追加費用が発生。
- 引っ越しの時期:3〜4月の繁忙期は料金が高騰し、5〜2月の閑散期は安くなる。
費用目安:
- 一人暮らし(市内5km以内):2万円〜5万円
- 二人暮らし(市外50km以内):5万円〜10万円
- 三人家族(長距離100km以上):10万円〜20万円
- 四人家族(遠距離500km以上):15万円〜30万円
③ 家具・家電の購入費(冷蔵庫、洗濯機、ベッドなど)
新生活を始めるにあたり、家具・家電の購入が必要になります。特に、一人暮らしを始める人は、これらの費用が高額になりがちです。
必要な家具・家電の例と費用目安:
- 冷蔵庫:5万円〜10万円
- 洗濯機:3万円〜7万円
- ベッド・布団セット:3万円〜7万円
- エアコン:5万円〜10万円
- テレビ:5万円〜10万円
- 電子レンジ・炊飯器:1万円〜3万円
- カーテン:1万円〜2万円
費用を抑えるためには、中古品を活用する、必要なものから順に購入するといった工夫が重要です。
④ 生活必需品の購入費(カーテン、食器、掃除道具など)
家具や家電以外にも、生活を始めるためには細かい日用品を揃える必要があります。
主な日用品と費用の目安
- キッチン用品(フライパン、包丁、食器類):5,000円〜1万円
- 掃除用品(掃除機、洗剤、ゴミ袋):3,000円〜1万円
- バス・トイレ用品(シャワーカーテン、タオル、トイレットペーパー):3,000円〜8,000円
- 収納用品(衣装ケース、ハンガー、ラック):5,000円〜1万円
生活必需品は、一度にすべて揃えず、必要なものをリストアップして優先順位をつけて購入することが大切です。
⑤ その他の費用(現状回復費、交通費、手土産代など)
引っ越しの際には、予想外の費用が発生することもあります。
- 現状回復費(退去時の修繕費):敷金から引かれるが、超過すると追加請求あり。
- 新居・旧居への交通費(ガソリン代、電車代):数千円〜数万円。
- お隣へのあいさつ用の手土産代:2,000円〜5,000円。
特に、現状回復費はトラブルになりやすいため、退去時にどの程度の負担があるのか事前に確認しておくことが重要です。
引っ越し費用は意外と多岐にわたりますが、それぞれの内訳を把握し、必要なコストを見極めることで無駄な出費を抑えることが可能です。次の章では、家族構成別に具体的な費用を詳しく解説していきます。
家族構成別の引っ越し費用の詳細
引っ越し費用は、家族構成や住まいの広さ、移動距離によって大きく変動します。単身者とファミリー世帯では必要な物件の広さや家具・家電の種類が異なるため、それに伴って初期費用や引っ越し代も増えていきます。
ここでは、一人暮らし・二人暮らし・ファミリー世帯(3人以上)の引っ越し費用について、具体的な目安と費用内訳を詳しく解説します。
一人暮らしの引っ越し費用
一人暮らしの引っ越しでは、賃貸物件の契約費用が最も大きな割合を占めます。特に、敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用は、家賃の4〜6ヶ月分が必要になるケースが一般的です。
また、一人暮らしの場合は荷物が少ないため、引っ越し業者を利用せずレンタカーを借りたり、宅配便を活用したりすることで費用を抑えることも可能です。
総額目安
■ 30万円〜50万円
費用例(市内5kmの移動)
費用項目 | 費用目安 |
---|---|
物件契約費(敷金・礼金・仲介手数料など) | 20万円 |
引っ越し業者費用(もしくはレンタカー代) | 3万円 |
家具・家電(冷蔵庫・洗濯機・ベッドなど) | 5万円 |
その他費用(カーテン・日用品・交通費など) | 5万円 |
合計 | 33万円 |
二人暮らしの引っ越し費用
カップルや夫婦での引っ越しでは、1LDKや2DK以上の広さの物件を選ぶことが多く、家賃が高くなるため、初期費用が増える傾向にあります。また、家電・家具も二人分必要になり、出費がかさみやすいです。
引っ越し業者の利用も必須となることが多く、市外への移動など距離が長い場合は費用がさらに上がることがあります。
総額目安
50万円〜80万円
費用例(市外50kmの移動)
費用項目 | 費用目安 |
---|---|
物件契約費(敷金・礼金・仲介手数料など) | 35万円 |
引っ越し業者費用(荷物の量が増えるため単身より高め) | 7万円 |
家具・家電(ダイニングセット・ソファ・家電の買い足しなど) | 10万円 |
その他費用(カーテン・日用品・引っ越し後の手続き費用など) | 8万円 |
合計 | 60万円 |
家族(3人以上)の引っ越し費用
家族での引っ越しは、住まいの広さが必要になり、物件契約費が高額になる傾向があります。また、家族が多い分、荷物の量も増えるため、引っ越し業者の作業費が高くなるのも特徴です。
さらに、家族向けの広い物件には駐車場代や管理費が加算されることも多く、事前にしっかりと予算を組むことが重要です。
総額目安
■ 60万円〜120万円
費用例(市外100kmの移動)
費用項目 | 費用目安 |
---|---|
物件契約費(敷金・礼金・仲介手数料など) | 50万円 |
引っ越し業者費用(荷物量が多く、移動距離もあるため高額) | 10万円 |
家具・家電(子供部屋の家具・家電の買い足しなど) | 20万円 |
その他費用(カーテン・日用品・引っ越し後の手続き費用など) | 10万円 |
合計 | 90万円 |
■ 一人暮らしの引っ越し費用(市内移動):30万円〜50万円
■ 二人暮らしの引っ越し費用(市外移動):50万円〜80万円
■ 家族(3人以上)の引っ越し費用(長距離移動):60万円〜120万円
家族構成によって引っ越し費用は大きく変動しますが、費用の大半を占めるのは物件契約費、引っ越し業者費用、家具・家電の購入費です。
■ 引っ越し費用を抑えるポイント
- 敷金・礼金が不要な物件を選ぶ。
- 中古の家具・家電を活用し、無駄な出費を抑える。
- 引っ越し業者の閑散期(5〜2月)を狙い、安いプランを選ぶ。
- 荷物を最小限にし、引っ越し業者の費用を削減する。
次の章では、引っ越し費用をさらに安くするための具体的な節約術について詳しく解説します!
引っ越し費用を安く抑えるコツ
引っ越しには大きな費用がかかりますが、工夫次第で節約が可能です。時期の選び方や物件契約の工夫、引っ越し業者の選び方などを見直すことで、コストを大幅に抑えられます。
ここでは、引っ越し費用を節約するための具体的な方法を紹介します。
1 引っ越しの時期を工夫する
引っ越し費用は時期によって大きく変動します。特に、繁忙期(3月〜4月)は、新生活や転勤シーズンと重なり、引っ越し業者の料金が高騰します。余裕がある場合は閑散期(5月〜2月)を狙うことで、費用を抑えることができます。
引っ越し費用を抑える時期の工夫
■ 繁忙期(3〜4月)を避ける
- 繁忙期は引っ越し業者の料金が通常の1.5〜2倍に跳ね上がることが多い。
- 可能なら5〜2月の閑散期に引っ越すと、割引が受けられる可能性が高い。
■ 平日・午後の引っ越しを選ぶ
- 土日・祝日は依頼が集中し、料金が割高になるため、平日を選ぶとコストが下がる。
- 午前より午後の引っ越しのほうが割安になることが多い(業者のスケジュールに余裕が出るため)。
■ 大安などの縁起の良い日を避ける
- 「大安」や「吉日」は人気が高く、引っ越し料金が高くなる傾向がある。
- こだわらない場合は、仏滅などの空いている日に引っ越しをすると安くなる。
2 物件の契約費用を抑える
物件契約時の初期費用は、引っ越し費用の大部分を占めます。しかし、賃貸契約の工夫次第で数万円〜数十万円の節約が可能です。
物件契約費を抑える方法
■ 敷金・礼金なしの「ゼロゼロ物件」を探す
- 「敷金・礼金なし」の物件を選ぶだけで、10万円以上の節約になることも。
- ただし、ゼロゼロ物件は「家賃が相場より高め」や「退去時に高額な原状回復費用を請求される」場合もあるため、契約内容をよく確認する。
■ 仲介手数料を交渉する
- 不動産会社によっては仲介手数料の割引が可能な場合がある。
- 「手数料1ヶ月分 → 0.5ヶ月分」 に減額してもらえるケースもあるので、ダメ元で交渉してみる。
■ 家賃保証会社の不要なオプションを削減
- 家賃保証会社のプランには、不要なオプションが含まれていることがある。
- 「鍵交換費用」や「サポートサービス」など、不要な項目を削ることで数千円〜数万円節約可能。
3 引っ越し業者を賢く選ぶ
引っ越し業者の選び方によっても、費用に大きな差が出ます。特に、同じ条件でも業者によって料金が異なるため、複数の見積もりを取ることが重要です。
引っ越し業者を安く利用するコツ
■ 相見積もりを取る
- 最低でも3社以上の見積もりを比較すると、最安値が見つかりやすい。
- 「○○社の方が安かった」と交渉すると、さらに値引きしてもらえることも。
■ 単身パックを利用(一人暮らし向け)
- 荷物が少ない場合、大手業者の「単身パック」を利用すると、通常の引っ越しプランより1〜3万円ほど安くなる。
- 宅配便感覚で荷物を運べるので、距離が長くても割安。
■ フリー便を活用
- 「○○時に引っ越しをしたい」と時間指定をすると、料金が高くなる。
- 「フリー便(業者の都合の良い時間に作業してもらう)」を選ぶと、数千円〜数万円安くなる。
■ 地域の格安業者もチェック
- 大手だけでなく、地域密着型の引っ越し業者も検討すると安く済むことが多い。
- 「〇〇 引っ越し 格安」などで検索し、口コミも確認すると安心。
4 不用品を処分して荷物を減らす
荷物が多いと、その分引っ越し料金が高くなります。不要なものを事前に処分することで、荷物の量を減らし、引っ越し費用を削減できます。
荷物を減らすための方法
■ 不要な家具や家電を売却・処分
- リサイクルショップやフリマアプリ(メルカリ・ラクマ・ヤフオク)を活用し、不用品を売却。
- 家具・家電は自治体の粗大ごみ回収を利用すると安く処分できる。
■ 宅配便で小物を送る
- 「引っ越し業者のプランを利用するより、宅配便を活用した方が安く済む」場合もある。
- ゆうパック、メルカリ便、クロネコヤマトの宅急便を活用し、衣類や小物を送ることで引っ越し業者の荷物量を減らせる。
■ 家電の引き取りサービスを活用
- 家電量販店の下取りサービスや、自治体の無料回収を利用すると処分費用を抑えられる。
■ 引っ越し費用を抑える方法
- 引っ越しの時期を工夫(閑散期・平日・午後を狙う)
- 物件の契約費を節約(ゼロゼロ物件を探す、仲介手数料を交渉)
- 引っ越し業者を賢く選ぶ(相見積もり・単身パック・フリー便の活用)
- 不要な荷物を処分する(リサイクルや宅配便を活用)
引っ越し費用は工夫次第で大きく節約できます。無駄な出費を抑え、賢くコストを削減しながらスムーズな新生活をスタートさせましょう!
引っ越しは、新生活のスタートに向けて欠かせない重要なステップですが、費用がかさみやすい点には注意が必要です。家族構成や移動距離、購入する家具・家電の有無によって、引っ越し費用の総額は大きく変動します。
✔ 引っ越し費用の目安
- 一人暮らし:30万円〜50万円
- 二人暮らし:50万円〜80万円
- 三人家族:60万円〜100万円
- 四人家族以上:70万円〜120万円
ただし、工夫次第で引っ越し費用を節約することが可能です。
✔ 費用を抑えるためのポイント
■ 繁忙期(3〜4月)を避ける
- 閑散期(5〜2月)の引っ越しを選べば、引っ越し業者の料金が大幅に下がる可能性がある。
- 平日や午後便を選ぶことで、さらにコストダウンが可能。
■ 契約費用を見直す
- 敷金・礼金なしの物件を探すことで、初期費用を大幅に削減。
- 仲介手数料の交渉を試みることで、費用が抑えられる可能性も。
■ 引っ越し業者を比較して選ぶ
- 複数の業者の相見積もりを取ることで、最安値のプランを選べる。
- 単身パックやフリー便の活用も効果的。
■ 不用品を処分し、荷物を減らす
- リサイクルショップやフリマアプリで不要な家具・家電を売却すれば、引っ越し費用の削減だけでなく、臨時収入も得られる。
- 小さな荷物は宅配便を活用すると、引っ越し業者に頼むより安く済む場合も。
計画的に準備を進めることで、無駄な出費を抑えながらスムーズな引っ越しが可能になります。引っ越し費用を抑えつつ、快適な新生活を迎えられるよう、しっかりと準備を整えましょう!